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マークス&スペンサーが実践するサステナビリティ

顧客を巻き込む「ショワッピング・キャンペーン」


M&Sは、「ショワッピング・キャンペーン」という取り組みをしている。これは、ショッピングとスワッピング(交換する)を掛け合わせた造語で、使用済衣服のリサイクルを推進する取り組みだ。 M&Sで買い物をする際に、顧客にその都度、使用済衣服を持参してもらうというもので、それらはM&Sで購入したものでなくてもよい。

使用済衣服は、M&Sの衣料品売り場の各場所に設置された「ショワップ・ドロップ・ボックス」の中に入れることができる。この取り組みは、プランAの「顧客を巻き込む」の一部で、顧客のエンゲージメントであるとともに、国際NGOオックスファムとの協働事業である。

2012年4月から「ショワッピング・キャンペーン」を開始して以来、M&Sは英国の全店舗で約100万点もの衣服を回収、それらは全て国際NGOオックスファムに提供されている。

オックスファムは、リサイクルショップを英国各地で展開しており、M&Sで回収した衣服を再販売するか、または発展途上国へそれら寄付している。オックスファムは、これら衣服販売で得たお金を人道援助や、世界の貧困撲滅へと使用している。

また、それらの衣服の中で、転売や再利用に適していなかったものを繊維に戻し、洗浄、そして新しい繊維へと変え、その繊維を使用して「ショワップ・コート」を製作し、最近販売を開始している。ショワップ・コートは£89(約1万5千円)で、これはバージン材を使用した場合の半値となり、顧客が購入しやすい値段設定としているとともに、環境配慮製品として、そしてファッションのための持続可能な未来を作る製品と位置付けている。

また、英国ではゴミ処理の主流は埋立処理で、埋立処理量を削減する為に、法規制や課税など埋立処理量の削減を推進する政策も行ってきているが、年間で50万トン、10億枚もの使用済み衣服が、依然として埋立処理されている。この「ショワッピング・キャンペーン」では、この埋立処理されている衣服をM&Sで事前に回収し、埋立処理量を減らす狙いもある。

写真左:レジ近くの目立つ場所に置かれたボックス/右:衣類はもちろん、傘なども入れられている