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マークス&スペンサーが実践するサステナビリティ

持続可能な店舗づくり〜ストラットフォード・シティ・サステナブル・ストアの例


オリンピックパークを望むことができる東ロンドンのウエストフィールド・ショッピングモールの中にM&Sのストラットフォードシティ・サステナブルストアがある。これは、持続可能な材料を使用して建設され、そしてオペレーション自体も持続可能である。

今回店舗を案内してくれた、トレーニング&開発マネージャーのブランシェさん

M&Sは、このサステナブルストアの建設において、森林の保護を目的として、持続可能な資源からの木材のみを使用している。店内のカフェのテーブルには、FSC(森林認証品)のロゴがあり、使用していることが見て取れる。また、床材には竹を使用している。

写真左:テーブルに入ったFSCロゴ/右:竹材が敷き詰められたカフェの床

店舗の売り場の床タイルは、40%がリサイクル品を使用、床タイルは使用後全てリサイクル可能。壁は、石こうボードを使用するのではなく、100%リサイクル素材を使用、そしてこちらも使用後全てリサイクル可能である。また、この建設中に発生した建設廃棄物100%すべてをリサイクルした。暖房の100%と冷却の99%が、ウエストフィールド・ショッピングモール・ストラットフォードの自前の電力設備から賄われている。これは、通常の電力使用よりも非常に効率が良い。

ストアは、外から冷気を取り込み、建物内の温度上昇時には、暖気を吸収する、換気ができる柱を導入している。これは二酸化炭素の影響を減らし、顧客のショッピングの環境を向上するものである。

また、通常の店舗よりも各階の天井が少し低くなっているのと、建物の真ん中が吹き抜けとなっているのは、建物全体の空気の循環がスムーズにいくように設計されてのものだ。その建物の真ん中の吹き抜けの部分の天井のほとんどが透明で太陽光を取り込めるようになっている。

さらに、M&Sスタッフの職場やミーティングルームは、太陽光を取り込める管を使用し、照明エネルギー効率の良いシステムを使用している。食品売場は、炭化水素冷蔵システムを使用。これは、通常の冷蔵システムと比較して、大幅に環境影響を削減したものだ。

換気の機能をもつ柱 太陽光を取り入れる吹き抜け 屋上から見た吹き抜け部分 ミーティングルームの天井採光部 屋上から見た採光部

このストラットフォード・サステナブルストアは、「コンシダレット・コンストラクターズ・スキーム※1」の40点中35.5点という産業平均よりも高いスコアを受け、そして、BREEAM※2の格付けでは、エクセレントを受けている。

M&Sでは、サステナブルストアとして他に、エクレサルロード、チェシャーオークスがあり、ストラットフォードシティとともに、M&Sはサステナビリティを推進するラーニングストアとして位置づけ世界に発信している。

  • ※1:コンシダレット・コンストラクターズ・スキーム(思慮深い・建設業者・スキーム)は、業界のイメージ改善のために業界によって設立された非営利、独立組織である。スキームに登録している建設現場や企業が、「思慮深い行動規範」について監視をされる。
  • ※2:BREEAM(BRE環境アセスメント法):最も歴史が長く、最も広範囲に使用されている持続可能な建物の評価、格付、認定の方法。英国が多く、その他世界50カ国以上で活用され、25万以上の建物が、BREEAMとして認定され、100万以上の建物が資格登録されている。