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よりエコに、サステナブルに変わるパリの街

LEDで、陰影豊かに、より美しく


ルーブル美術館に行くなら、夕方以降が断然おすすめ。というのは、混雑を避けるためではなく、より美しくなったナポレオン広場をぜひ見てほしいから。

昨年5月、ガラスのピラミッドやファサードを含むナポレオン広場のライトアップが一新された。新たに広場を照らし始めたのは、東芝のLED。名実ともに世界一を誇るルーブルの刷新に、日本の技術が生かされている。LEDに切り替えることで消費電力量は年間73%削減されるという。

LED化で課題となったのは省エネ効果以上に景観。器具は小型化し目立たないよう取り付けるのはもちろん、パリの景観としてふさわしい美しさ、演出でなくてはならない。何度も協議・検証を重ね、歴史を尊重しながらも、これまで以上に美しい、ルーブルのための光が生まれた。新しい光は、以前よりも白く明るい印象。夜のナポレオン広場に優美な装飾とガラスのピラミッドがふわりと浮かび上がる。

ルーブルは、ただ伝統を固持するのではなく、社会に合わせて変わることで、その荘厳な歴史をつないでいこうとしている。

城塞、王宮としてのルーブルの歴史

世界一のコレクション、世界一の来場者数を誇るルーブル美術館ですが、最初から美術館として建てられたわけではありません。最初に「ルーブル」ができたのは、12世紀。国王フィリップ2世が、要塞として建てた「ルーブル城」が、長い歴史の始まりです。 14 世紀に入り、ルーブルの外側により強固な城壁ができたことにより、要塞としての役割は終了。国王の邸宅へと変貌します。代々の国王は、増改築をし、豪華な装飾をほどこすとともに、美術品を多く収集していきました。 数世紀にわたって、王家のものだったルーブルが、美術館として一般公開されたのは、フランス革命勃発後の1793 年。以来、コレクションは拡大を続け、フランスを代表する「ルーブル美術館」となりました。