お洒落で洗練された商品もさることながら、ユニークなコンセプトで話題を集めているお店がある。日本でも人気のある子ども服ブランドBonpointの創業者、コーエン夫妻が立ち上げたセレクトショップ「merci」だ。
夫人のマリー・フランス・コーエンさんに話を聞いた。
Bonpointで成功し、何か社会に貢献したいと思ったコーエン夫妻。彼らが選んだ方法は、単純な寄付ではなく“ビジネス”のかたち。そこでセレクトショップmerciを立ち上げ、必要経費を除く利益すべてをマダガスカル島の子ども達に届ける仕組みを作った。 マリー・フランスさんはmerciについて「国やジャンルを問わず、自分が美しい、クオリティが良いと感じたものを集めたお店を作りたかった」と話す。その言葉通り、店内にはセレブ御用達のラグジュアリーブランドも、手頃な価格の日用品も、優劣なく並べられている。どれもマリー・フランスさんの御眼鏡にかなったハイセンスなものばかり。“チャリティだから”と妥協した点は一つもない。だからこそ、人が集まるし、ファッション界の話題にもなる。ビジネスだから、一過性ではなく、継続的な支援が可能になるし、広がりも生まれてくる。「様々な人がいろいろな目的で訪れる場所にしたいんです。そして、皆さんに『社会貢献になるから』だけではなく『良いものだから』と選んでもらえたらと思っています」。 |
[merciの所在地] |
(右)マリー・フランス・コーエンさん。彼女のこだわりがいっぱい詰まったご自宅でお話を伺った。「お金がないときほど質の良いものを買って、長く使いなさい」というお祖母さんの教えを今も大切にしているという
フランス語で「ありがとう」を意味するmerci。この店名には、コーエン夫妻のたくさんの「ありがとう」の気持ちが込められているそう。「これまでの生活に、Bonpointで成功したことにありがとう。mercyのお客様や、商品を作っている人、そのほか協力してくれている、すべての人に対しての、感謝の気持ち、メッセージを込めています」。