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消費者の意識を変え、社会を変え、持続可能なビジネスをめざす

サステナビリティプランの実現には、消費者の意識、行動改革が不可欠


消費者を知り(調査)、行動を変え(コミュケーション)、システムをつくる

コカ・コーラ・エンタープライズでは、リサイクルに3つの側面からアプローチします。
1つ目は「収集・選別」、2つ目は「再処理・再利用」、3つ目は「コミュニケーション・消費者行動」です。

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「収集・選別」では現存の取集スキームの推進者と影響力の改善、「再処理・再利用」では戦略的リサイクル施設に関するパートナーシップにおいての投資の実施、「消費者行動・廃棄」に関しては、リサイクルをより頻繁に実施してもらうために消費者の教育と動機づけをしています。
Recycle_for_the_Future_Graphic.jpg調査データ(クリックで拡大版のPDFが開きます)消費者の行動に関しては、「そもそも消費者はどこでボトルを捨てるのか」について調査を実施しました。当初は道端でゴミ箱にポイしているイメージが強かったのですが、実際には70%は家庭で捨てられていることがわかりました。
ならば、家庭でどういう行動をしているかを調査しようということで、英国エクセター大学の心理学の先生と組み、消費者の行動をどのように変えていくかという研究を進めています。

また、インフラや、回収の仕組みも重要です。
EUのリサイクル率の平均は60〜70%ですが、ノルウェー、スウェーデンはデポジット制度があるので90数%と高かったり、ベルギーはデポジットがなくても89%ととても高いのです。これは回収システムがしっかりしていて、業界がお金を出し合ってスキームを作っているからです。

消費者にリサイクルの重要性を伝えると同時に、回収システムの充実も図っていくことが必要ということですが、その辺は政府や自治体に働きかけながら、リサイクルに対する意識を高めていくしかないと思っています。リサイクル工程に投入する使用済みペットボトルがないと、私たちのようなメーカーが再度ボトルに戻す原料もなくなるので、この活動は原料確保の一環であるとも言え、事業に直結した活動です。

リサイクルの先を伝えなければリスクに。重要な意味をもつ消費者コミュニケーション

再処理・再利用の分野ではフランスと英国においてリサイクル工場との合弁会社を設立し、各国の再処理インフラの拡大を図りました。この施設で生産したリサイクルペット材は合弁会社のパートナーを通して弊社のみならず多くの企業さんに提供しています。

リサイクルについては、消費者に対する啓発も非常に重要で、さまざまなイベントを開催してリサイクルへの意識を高めています。
最近では、ヴァージンと組んでリサイクルのフェスティバルの主催をしたり、ベルギーでは映画館とのコラボレーションで上映前の予告編でリサイクル啓発広告を出したりもしています。若者に対して「リサイクルはクール(かっこいい)」というメッセージを持ってもらうことを考えていますし、その反面、リサイクルの実体がはっきりしないと、懐疑的な人も多いと思います。回収したボトルはちゃんとリサイクルされているのか、どこに行っているのか、ということを消費者は知りたがっており、それがボトルをリサイクルする動機にもなる可能性があるので、そこのコミュニケーションも図っています。

つまり、サステナビリティは、ビジネスとして成立させるためにも、消費者や業界、社会そのものと協力し、必要であれば、その考え方や仕組みを変えるアプローチもいとわない強い意志をもってこそ、初めて実現できるものではないかと思っています。

お話を伺った方

コカコーラ・エンタープライズ
サスティナブル・パッケージング シニアマネージャー上川勇一郎氏