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消費者の意識を変え、社会を変え、持続可能なビジネスをめざす

調達から人事評価まで、あらゆる側面にサステナビリティの視点を入れる


環境に関してはリサイクルにフォーカス

カーボン・フットプリントを3分の1にするために具体的に何をしているのかということですが、特に私が担当するパッケージングに関しては軽量化が必要となります。それは直接ボトムラインにもつながりますので、3~4年かけて相当な量を減らしてきました。

軽量化は、0.1グラムを減量するにも相当な労力が必要となるので、同時にリサイクルにも焦点を合わせています。
具体的にはリサイクルPETの含有量を増やしていくこと。あとは、「プラントボトル」というものがあり、これは植物由来の樹脂を30%含むPETでボトルを作るというものです。
今、日本でも使用されていますが、CCEの7か国では、その植物由来の樹脂の使用を全体の3分の1の製品で使用しています。こういった活動を通して、二酸化炭素の排出量を削減していきます。その他、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶についてもなるべくリサイクル材を取り込んでいこうと考えています。

また、パッケージについては、サプライヤー評価の時点からコミットメントしています。
調達部門に1人サステナビリティ担当がいて、一緒にサステナビリティの要素を調達に入れ込むように進めています。調達時のサプライヤーの評価プログラムにサステナビリティに関する評価の点数を組み入れているのです。私たちの主目的である二酸化炭素排出量の削減に焦点をを当てています。
また、バリューチェーン上のカーボンフットプリントの分析から、サプライヤーから購入品している部分のカーボンフットプリントが高い(70%弱)ことが分かりました。その上で、調達部門のスタッフと議論をして、目標・ターゲットの中にサプライヤーのカーボンフットプリントの削減を入れ込みました。

それ以外にも紙バックや二次包装の段ボールを森林認証品(FSC)としたり、どれだけのリサイクル材を含んでいるのかも確認しています。何百もあるサプライヤー全てと直接話すのは難しいですが、取引量が多いなどリスクが高いと思われるサプライヤーについては、直接管理をしています。
例えばカーボンフットプリントでいうと、ペットボトル、缶について、他では、例えば森林認証品でいうと、紙パック、ジュースパックのメーカーと話をするなど、特にリスクが高いと思われる部分に集中していろいろ話を進めています。どうやったらより多くのリサイクル材を、缶・瓶・ぺットボトルに入れることができるのか、消費者が使用した後のリサイクル率を増やすにはどうしたらいいのか、費用負担、分担も含めて、サプライヤーと出来ることはないかを追求しています。

サステナブルプランは、従業員に対する浸透が最も重要

人事評価を毎年、半年ごとの6月末と年末にレビューするのですが、毎年1月に自分の目標を作る際に、他のビジネスの目標設定とともに、サステナビリティの目標設定も入っています。そこに例えば購買だと、価格、サービス、カーボンフットプリントなどについて目標設定が考えられます。
私たち担当部門でいうと仕事自体がサステナビリティに関連するので、なかなか設定が難しいですが、人によっては、「電車通勤する」とか、そういう目標をつくらないといけない。もちろん、2020年のコミットメントに直結している目標をつくるのが一番望ましいということになっていますが、データが足りない部分もまだまだあります。どういうデータを提供できるかも私たちの仕事なので、彼等が目標をつくれるようにしていかなければなりません。

サステナビリティを金銭価値に置き換え、ワークショップで伝える

従業員に伝えるためには、やはりワークショップなどで、直接伝える機会が効果的ですね。それが一番直接的で伝わりやすい。
例えば水やエネルギー関連では、工場の人たちを集めて「この機械で水の消費量やエネルギー消費量をこれだけ削減すると、これだけ金銭的にもコストダウンにつながる」ということを、金銭的なつながりを見せるのが一番わかりやすいです。実際に機械にこの機械を1分動かすといくら費用がかかるなど、貼ってみたりもします。

あとは、環境マネージャーというのが工場などの現場にいて、工場の作業者にその金銭価値に置き換えたコスト意識をもたせることをいかに浸透させるかを仕事にしています。
環境マネージャーは他に、ゴミの処理の方法の確認や、工場作業者から自分達の工場で実施している活動についての情報収集を実施し本社に伝えることも実施しています。この担当者が各工場に1人ずつ、そして各工場の担当者の情報を束ねる人が各国に1人います。全17工場に1人ずつで17名おり、ベルギー、ノルウェー、スウェーデンをカバーする人が1人。それと英国、フランスが1人ずつで、合計3人で工場全部を見ています。