Column:長時間労働でも、楽しそうならOKなのか?
昔々、鳥取に湖山長者というお金持ちがいました。 長者の田んぼで田植えをする日には、普段からお世話になっている村の人が集まり、楽しそうに田植えをします。長者は家の二階からその様子をにこにこと眺めていました。 田植えはどんど […]
2024年11月27日衣類の廃棄に先んじて、フランスではスーパーマーケットやレストランで売れ残った食品を廃棄することが禁じられた。その後、コロナ禍という前代未聞の事態を経て、美食の都であるパリの食は、急速に変わりつつある。ただ美味しいだけでは、もはや受け入れられない。
美味しく、かつ人と環境のサステナビリティにつながる食が、今のパリでは求められている。
そんな時代に、レストランと家庭の食を「廃棄ゼロ」というキーワードでつなぐシェフがいる。
パリ・サントノーレ地区にある5つ星ホテル「ル・ブルガンディ パリ」の「Le Baudelaire(ル・ボードレール)」。ミシュランで1つ星を獲得する高級レストランだ。2022年9月、ル・ボードレールのシェフを務めるアントニー・ドゥノンさんは、食材を無駄なく使い切り食品廃棄をゼロにするレシピを集めた料理本『Il en reste!』を出版した。
2022年9月、ル・ボードレールのシェフを務めるアントニー・ドゥノンさんは、食材を無駄なく使い切り食品廃棄をゼロにするレシピを集めた料理本『Il en reste!』を出版した。
「小さな頃から家族のおかげで食材を大切に使うことを意識していたが、本格的に考え始めたのはアラン・デュカス氏に師事してからだ。彼は10年前から食材の廃棄をしてはならない、どうやって全てを使い切るべきかと考えていた。僕は12年間彼のもとで働き、その哲学を身につけた」と、ドゥノンさん。
高級な素材で美食を追求する料理と食品廃棄ゼロは、一見、正反対の価値観に見える。だがドゥノンさんは、環境への配慮、食品廃棄ゼロの取り組みは社会や時代の要請であり、高級料理にかかわる自分たちも無視できないと語った。
ドゥノンさんが本を書こうと考えたきっかけは、コロナ禍でレストランの営業ができなくなったことだった。店に出られない期間、料理と改めて真摯に向き合い、料理人である自分が何を為すべきかを見直すことができたのだ。
「小さな頃から家族のおかげで食材を大切に使うことを意識していたが、本格的に考え始めたのはアラン・デュカス氏に師事してからだ。彼は10年前から食材の廃棄をしてはならない、どうやって全てを使い切るべきかと考えていた。僕は12年間彼のもとで働き、その哲学を身につけた」と、ドゥノンさん。
高級な素材で美食を追求する料理と食品廃棄ゼロは一見、正反対の価値観に見える。だがドゥノンさんは、環境への配慮、食品廃棄ゼロの取り組みは社会や時代の要請であり、高級料理にかかわる自分たちも無視できないと語った。
ドゥノンさんが本を書こうと考えたきっかけは、コロナ禍でレストランの営業ができなくなったことだった。店に出られない期間、料理と改めて真摯に向き合い、料理人である自分が何を為すべきかを見直すことができたのだ。
「レストランに行けずに自宅で料理をする時、誰だって食材を捨てたいわけじゃない、使い切りたいと思っているはずだ。でも、一般の人たちは使い切るための調理法を知らない。だから使い切るノウハウを提供することには意味があると思った。僕の本の特徴は、『自分でもやってみよう』と思える料理を載せていること。僕自身の料理を紹介したいわけじゃないんだ。レシピを見ながら、それぞれが冷蔵庫や食材のストッカーを見てアレンジしてくれれば良いと思っている」
自分のレストランで出す料理と、本を通して伝えたレシピ・調理法は別のもの。だが食材を大切に扱うという点では同じだとドゥノンさんは言う。
環境や法律や社会が変わり、料理・食も変わっていく。だが、食の根っこにある気持ち、食材に感謝し、美味しいものをつくりたいという想いは、いつまでも変わらないものらしい。
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2024年8月15日