“Seminare su quelle colline” その丘に種を蒔く
Colline verdi ~緑の丘 暑い夏がようやく去り、朝の青空は高い。琵琶湖から吹いてくるのか涼風がさわやかだった。入り口の小道を抜けると緑の世界が広がっていて、低い笹の植栽が一面に続く先に、屋根まで植物に覆われた […]
2026年2月9日海はレジャーを楽しむ場でもある。海水浴やダイビング、釣り、ヨットやビーチバレー、そしてサーフィン。
楽しみ方はそれぞれだが、一つ間違いなく共通することがある。
それは、汚染された海では楽しめない、ということだ。
いつまでも楽しめる青く美しい海を守るために、新たな挑戦を始めたサーファーたちに話を聞いた。

サーフボードは、プラスチックでつくられる。
木の板や丸太で波に乗っていたのは大昔のこと、現在はプラスチックとガラスクロスを組み合わせ軽く丈夫につくるのが一般的だ。プラスチックなので、海で壊れれば海洋ゴミになるし、製造工程では有害物質やCO2が排出される。海のレジャー・スポーツの代表格でありながら、サーフィンは自然にやさしいとは言い難い。
「海は幼い頃から一番大切な遊び場だった。サーフィンは好きだけど、大切な海を害する道具を使っていることには、ずっと抵抗があったんだ。サーファーは皆、直接海に触れているから環境の変化には敏感だし、綺麗な海を守りたいといつも思っているんだよ」
真摯にそう語ってくれたのは、サーフボード製造を手掛けるWYVEの共同創業者の一人、Sylvan FLEURY(シルヴァン・フルリー)さんだ。
近年、多くの産業で環境配慮や持続可能性が重視されているが、それはサーフィン業界でも同様で、むしろより敏感でさえある。海を汚染しない新たなサーフボードを開発しようという動きが、各国地域で始まっている。



フランス南部、スペイン国境に程近い海沿いの街・バイヨンヌの倉庫街に、WYVEの工房はある。24時間稼働の3Dプリンターが、熱して液状化したプラスチックを100層ほど積み重ねる作業を行っているため、工房内は冬でも暖かい。プリンターにより徐々に形作られていくのは、大小の六角形が連なるハニカム構造。これが、シルヴァンさんたちが開発した“壊れにくい”サーフボードの芯となる。
WYVEでは、3Dプリント技術とバイオプラスチックを用いたサーフボードを製造している。最大の特徴は高い耐久性だ。ハニカム構造の芯は衝撃に強く、波に乗る際の重量やねじれ、振動の制御にも優れている。さらに、もしも一部が破損しても修理しやすい構造になっているので、通常のボードが約1年で交換時期を迎えるのに対し、WYVEのボードは3〜4年は使えるのだという。
「就職して初めてもらった給料でボードを買ったんだけど、すぐに壊れてしまったんだ。すごくがっかりしたよ。一緒に会社を立ち上げたレオも、同じような体験をしたんだ。それで二人で壊れにくいボードをつくろうと決意したのが、この会社の出発点だね」と、シルヴァンさん。

3Dプリンターの稼働やバイオプラスチック原料を注入する際の熱源は、小さなモーターがあれば十分で電力もさほどかからないうえ、サトウキビ由来のバイオプラスチックを使っているため、WYVEのサーフホードは一般的な製造方法のものと比べて、製造時のCO2排出量が40%も少ない。さらに今後は、3Dプリントのプログラムを改良して、製造時の廃棄物ゼロを目指すという。
「環境負荷を下げるだけじゃなく、最高峰の性能を持つボードをつくるのも僕たちの目標なんだ。ワールドチャンピオンにもボードを提供している世界最高のシェイパーの一人、ジョニー・カビアンカとコラボしたシリーズは、この目標達成に限りなく近い。高度な職人技とテクノロジーを組み合わせたボードを、ぜひ、日本のサーファーにも使ってほしいな」
WYVEはアメリカの展示会にも積極的に出展するなど、グローバル展開に力を入れている。海を愛するサーファーの挑戦は今、世界中に広がる波に乗り始めている。

https://www.nomads-surfing.com
ボルドーを流れるガロンヌ川を臨む工業地帯で、2018年、3人のエンジニアがサーフボードメーカーを立ち上げた。
「今までにない、他のブランドがつくっていないような環境を壊さないサーフボードをつくろうと思って、3人で始めたんだ。最初はセカンドジョブとしてスタートして、続けているうちに大きな事業になっていったんだ」
Nomads surfing創業者の一人、Basile GENTIL(バシール・ジョンティ)さんはそう語る。
創業のきっかけは、3人がサーフィンをする中で気づいた海洋汚染。フランス本国ではなくフィリピンやマレーシアなど海外で働いていた3人は、共通の趣味であるサーフィンを楽しむ中で、世界中の海が危機的な状況にあることを感じ取った。
Nomads surfingのサーフボードの特徴は素材。リサイクルプラスチックやバイオプラスチックといった再生可能素材に加え、コルクやリネンなどの自然素材も取り入れている。しかも、リネンは東ヨーロッパで栽培されたもので、コルクはボルドーの地元スーパー等で収
集されたもの。他にもサーフィンアクセサリー(サーフボードと足をつなぐコードや、フィンなど)をフルラインナップで提供しており、ここでも自動車のシートベルトや古いウェットスーツなど、ユニークなリサイクル素材を多く使っている。
「素材は確かに大切だけど、もう一つ、大切なものがある。パートナーだよ。僕らの製品は、ボルドーの本社から1,000km圏内で原料調達・製造を行うことにこだわっているんだ。パートナーとたくさんの意見交換をしながらつくることで、良い素材で高い品質を実現できるし、地元経済への貢献もできるからね」と、バシールさん。この言葉の背景には、多くのサーブフボードやサーフィンアクセサリー(サーフボードと足をつなくリーシュコードなど)が、北米やアジアなど欧州の外で製造されている状況がある。遠方での製造では、輸送による環境負荷がかかるのはもちろん、製造の現場や素材を管理するのも難しい。環境面でも経済面でも持続可能な製品にこだわればこだわるほど、地元であるフランス・欧州での製造が重要になる。



Nomads surfingでは自分たちの事業を通じた環境貢献にとどまらず、海を保護する様々な活動への支援を行っている。創業以来続けてきた海洋保護団体への寄付を発展させ、2023年、海洋生態系の保護・保存に関するプロジェクトを支援する基金「Nomads ocean care」を設立した。現在、生態系の保護、学校での意識向上、珊瑚礁の再生という3つの主要テーマを掲げ、多くのプロジェクトを支援している。
「海を守るためには、たくさんの人の意識や行動を変えていく必要がある。リサイクルに協力してもらったり、海洋ゴミになる素材を使わないよう意識してもらったりね。同時に、サーファー以外にも海が好きで、海を守りたいと思っている人はたくさんいるはず。そんな人たちの想いをつなげて、海を綺麗にする活動を進めていくために、僕らは財団をつくったんだ」
活動の幅を広げつつ、バシールさんたちは製品を通じて海洋保護の意識を高める地道な活動も続けている。サーファーの海への意識が高いとはいっても、そのために少し高価な環境に配慮した製品を買ってくれるかといえば、それは実際のところ難しい。だからNomads surfingは、サーフショップの店員たちに海洋保護やリサイクル素材に関する知識を伝えて顧客への啓発に協力してもらったり、各地のマーケットやイベントでTシャツやキャップなど手に取りやすいグッズを販売して、少しずつ自分たちの価値観やNomads surfingのコンセプトを浸透させている。
「海を害しているというサーフィンへのイメージを変えること、海を守るために行動しようとたくさんの人に思ってもらうこと、そんな変化を通じて海洋保護を実現していくのが、僕らの目標なんだ」
海がいつまでも楽しい場所であってほしい。海に触れたことのある誰もが持つ願いを実現するために、サーファーたちはそれぞれの場所で、それぞれのやり方で動き出している。

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