Val-d'Oise(ヴァル=ドワーズ)
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2025年2月25日「世界で2番目に環境を汚染している産業」。ファッション業界に対して、国連貿易開発会議(UNCTAD)がそう指摘して以来、衣服や繊維に関する大量廃棄が世界中で問題視されるようになりました。売れ残った服が捨てられるというわかりやすい部分だけでなく、染色や紡績、裁断などさまざまな製造工程で廃棄は発生しています。
そんな工程のひとつ、布の染色を行うセイショク株式会社が開発した、生地の廃棄を減らし、新たな可能性を開く新素材をご紹介します。
手触りは柔らかく、しかし持ち上げてみると硬く重い。いくつもの色が折り重なる複雑な色合いは、まさに唯一無二のもの。布とも板とも異なる素材「NUNOUS(ニューノス)」は、今、インテリア小物から内装用の建材まで幅広い用途で注目されています。
開発したのは、1880年創業のセイショク株式会社。現在も岡山県で染色加工事業を行う老舗企業です。
開発のきっかけは、日々の事業の中で発生する出荷規格外品でした。毎日、50キロメートルにも及ぶ大量の布を染色する中では、どうしても失敗して売り物にならない品がでてしまいます。割合にすれば1〜2%にしか過ぎないとはいえ、わずかな傷や色ムラがある以外は美しく染め上げられた立派な布を、捨ててしまうのは惜しい。そう考えるのは、精魂込めて製品づくりにうちこむ企業として、ごく自然なことでした。同時に、廃棄物として処分することで生じる環境負荷や資源損失を防ぎたいという思いもあり、セイショクは「色を活かせるリサイクル方法」を模索し始めます。そして岡山県工業技術センターの協力のもと、何百枚もの生地の間に樹脂フィルムを挟み込み、熱と圧力で押し潰して板のようにする積層技術を開発。さらに、樹脂には非可食のサトウキビを原料とするバイオポリマーを主に使用することで、環境負荷低減を図りました。こうして、廃棄される布を新たな素材ニューノスとして生まれ変わらせることに成功したのです。
2018年にニューノスが開発されてから5年。岡山発の新素材は、国内外の様々な場所・シーンで取り入れられています。
ニューノスは綿、麻、ウールなど幅広い生地からつくることができます。ある企業ではその特性を活かして、古くなった作業着のアップサイクルとしてニューノスを製造。それを自社オフィスの内装に取り入れました。また、アパレルブランドではショートパンツをつくるためにカットした膝下部分の布地を集めてニューノスをつくり、そこから新たな服を仕立ててパリコレで披露しました。ファッション業界に限らず、建築やその他の多くの企業がサステナビリティに取り組む中で、ニューノスは様々な場面で廃棄物を減らしアップサイクルにつなげられるものとして期待されているのです。
現在、セイショクではニューノスが活躍できる機会をさらに増やす取り組みが進んでいます。その一つが防火性能の向上。さらに、450mm×250mmに限られているサイズの拡大です。不燃材・準不燃材などの基準をクリアした大きなニューノスをつくることができれば、例えば壁紙に用いるなど導入の機会は格段に広がります。
セイショクの姫井社長は、試作品を製造中の工場で次のように語ってくれました。
「ニューノスをどのように活用していけるのか。そのアイデアの多くは、サステナブルな素材を使いたいという想いを持つお客様からいただいています。壁紙が難しければ、照明やサインに取り入れるとか。私たちでは思いつけないような、独特の色合いをうまく活かす使い方を考案してくださいます。そうしてたくさんの方の目に触れる場所にニューノスを展開することで、一般の方々にもファッション業界・繊維産業の廃棄物問題を考えてもらうきっかけにもなればと期待しています」
岡山から世界へ、サステナブルな未来をつくる老舗企業のチャレンジは、たくさんの想いやアイデアを巻き込みながら、これからも拡大していきます。
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